2003年11月24日

『NARC ナーク』

cover今回の3連休は、これまでに観ようと思いつつ逃してきた作品にスポットを当てようと思い、まず最初に観た映画が『NARC ナーク』です。この作品、ご存知でしょうか?今年の春に劇場公開され私も観に行こうと思っていたのですが、あまりにも地味で(宣伝もあまりされなかったのではないでしょうか)私も後回しにしているうちに公開が終わってしまいました。

監督がジョー・カーナハン(長編2作目)、主演がジェイソン・パトリックにレイ・リオッタと、かなり渋いキャスティングで、ストーリーも『フレンチ・コネクション』や『セルピコ』のようなテイストの骨太な刑事ドラマらしく、個人的には今更感のあるジャンルだったのですが、作品自体の風評はすこぶる良くて、それなら見ておかないと損かな、と。

一言を感想をいうと「面白かった」です。映画開始早々、手持ちカメラでの画面グラグラの追走劇から始まって、テクニックに走った作品だったらいやだなぁと、いきなりマイナスな印象を持ってしまったのですが(ところどころで、個人的には必要性を感じない小手先な撮影シーンがあったような)、中盤あたりでの登場人物達の葛藤の演出や、終盤での盛り上げ方は大変上手くて、私もぐいぐいストーリーに引き込まれました。これは監督の力量が素晴らしいのか、俳優の熱演の賜物か、地味な話なのに(だからこそ?)良く出来た作品に仕上がっていると思いました。

決して大作ではないし、一般の映画ファンが興味を持つような映画でもないかもしれませんが、たまにはこういう映画を観てみて、意外なところに眠っている佳作を見つける楽しみに酔いしれるのもいいのではないでしょうか(笑)

作品評価:★4 ※採点基準はこちら

-- 追記 --

主演の一人ジェイソン・パトリックは、個人的には『スリーパーズ』や『スピード2』での頼りなげなイメージが強かったのですが、今作では芯の強い演技をしていたと思います。しばらく見ないうちに、役者としてかなり成長したように感じました。あいかわらず地味ですが。。

あと、トム・クルーズがこの映画の出来を見て、ジョー・カーナハンを『M:I-3』の監督に抜擢した、というのは有名な話です。私は『M:I-2』をクソ映画だと思っているのでさすがにあれ以上ひどい作品はありえないと思いますが、まだ大作をとったことのないカーナハンがどのように『M:I-3』とトム・クルーズを料理するのかが楽しみです。一作目より面白い作品に仕上がるようだと、監督としてなかなか本物といえるのではないでしょうか?

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投稿者 shaw : 2003年11月24日 00:14

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