2004年07月10日

「ダ・ヴィンチ・コード」

cover今、巷で話題騒然(でもないのかな?)の「ダ・ヴィンチ・コード」を職場の編集長からお借りして、先日完読したのですが、ヒジョーに面白かったです。

一言で物語を説明するなら、「ダ・ヴィンチの名画には実は驚愕の秘密が隠されていた!」ということになりますかね。こんな説明じゃ、本の面白さを悪い方に誤解させてしまいそうですが、物語を読みすすめていくと本当に驚愕します、多分。
物語の冒頭でルーブル博物館の館長が何者かに殺害されるところからはじまり、その人物が残したダイニング・メッセージを追っていくとダ・ヴィンチや他の中世~近代に名を残した著名な天才たちの残した足跡には数々の秘密が隠されていて、それは世界的に有名な「ある秘密」に繋がっているわけです(この辺り、気になる人はぜひ読んでみて欲しいのですが)。

で、何がすごいかというと、巻頭で「この小説における芸術作品、建築物、文書、秘密儀式に関する記述は、全て事実に基づいている。」と述べられているように、本書の随所にちりばめられている薀蓄の一つ一つが、読んでいるこちらに飽きさせないところだと思うんですよね。私は全然キリスト教とか西洋芸術に対して教養はないですが、この本を読んで随分興味が湧いてきましたしね。

ルーブル美術館からはじまって、ダ・ヴィンチの絵の謎を追っていくうちにキリスト教の秘密にするどく切り込んでいく本作、私も読む前は「どうせ普段興味のない分野だしなぁ」という気持ちがあったのですが、そんなことは微塵も感じさせない面白さがあると思います。それはやっぱり肝心のストーリーがとても続きを気にさせる魅力を持っているからだと思うんですが、さらに西洋芸術やキリスト教に興味がある人にはもっと面白く感じるのではないでしょうか?

下巻あわせると結構な額になりますが、その価値はあると思いますよ。

-- 追記 --

個人的には、下巻はじまってすぐの「最後の晩餐」のくだりが特に面白かったですね。下巻の巻頭に、その最後の晩餐の絵が閉じられているのですが、本文と絵をついつい何度も見比べてしまいましたからね。他にもそういう「これは真実に違いない!」とこちらに思わせる説得力が随所にあります。

本国では既に映画化のプロジェクトが始まっているらしく、監督ロン・ハワードで主演候補が現時点で4名ほど挙がっているそうです。確かに映画化しやすい題材だと思うし、是非とも成功してほしいですねー。私はもう結末を知っているので魅力の一つであるどんでん返しの衝撃を受ける事はないですが、華を添えるだろう数々の芸術作品の描写が楽しみです。

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投稿者 shaw : 2004年07月10日 23:53

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