2005年10月17日

『蝉しぐれ』

藤沢周平氏の代表作とも言える『蝉しぐれ』が映画化されたので、私も鑑賞してきました。ちょうど1年ほど前に、「隠し剣」シリーズの原作を読んで以来、すっかり藤沢文学のファンになったワタシ。「蝉しぐれ」が映画化されると聞いた時は、それは期待したものです。不安も半分でしたけど。

さて、実際に鑑賞してみて、なのですが…。
う~ん、どうにもしっくりいかないところだらけで、個人的には消化不良もいいところ、と言いたい。まず、キャスティングに違和感がありすぎ。子役がなぁ。前半、主人公がまだ少年期だった頃のエピソードが、別の意味でなんだか悲しくなってきましたよ、ワタシは。青年になってからのキャスティングも、もうちょっとやり方があったような。

まぁ、多少のミスキャストは演出一つでカバーできるかも、と思いつつ鑑賞を続けてたんですが、どうもこちらもいまいち。画の撮り方はうまい、というか、ロケーションがとてもいいので、劇中にはさまれる美しい風景の数々には唸るものがあるんですが、全然それが映画に活かされていない気がしたのは私だけでしょーか?
他にも、少年期の最大の山場、主人公が台車を曳くシーンとか、青年期の見せ場の一つで藤沢作品にはおなじみの「秘剣」の見せ方とか、本来ならそこでググっと盛り上がるはずのところで、逆に肩透かしをくらうこのやるせなさ。

やっぱり原作を先に読んでしまっていたのが良くなかったのかなぁ。
興行通信社によると、劇場アンケートの評判は悪くなかったそうなんですが、それが私には全然信じられないです。求めたものが高すぎたのかな・・・。できれば山田洋二に撮ってもらいたかったかも。

原作が好きな分、ちょっと今作については辛口になってしまいましたが。。
作品評価:★2 ※採点基準はこちら

蝉しぐれ
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藤沢 周平
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おすすめ度の平均: 4.83
5 なんだかもう胸がしめつけられる
5 時代小説を超えた感動
5 市井の人々の生き方が、ここにある
-- 追記 --

同じく藤沢作品を山田洋二が監督した『たそがれ清兵衛』という傑作の存在が、私の中であまりにも大きいのもしれないなー。

たそがれ清兵衛
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おすすめ度の平均: 4
5 山田洋次監督の妙、宮沢りえさんの女優としての輝きが突出した名作品!
5 藤沢周平の世界がここにあり!
5 宮沢りえ 迫真快心最高の演技
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投稿者 shaw : 2005年10月17日 00:10

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